映画の特徴

これは「結婚」を、そして「エイジハラスメント」を考えてもらう映画である。

様々な取材者から主演の松下恵は色々な体験談を聞き出し、自分の身につけている様が観客にも、同時に擬似体験として伝わるだろう。

ドキュメンタリー映画ではあるが、主演が女優の松下恵であると言うこともあり、ある面劇的な撮影方法をとっている。つまりドキュメンタリー映画ならぬゲキメンタリー映画!が、この作品である。

それがどの部分なのかを発見するために映画を見、それを感じて頂くのも観客への、映画への新しいサービスだと思っている。勿論、それがドキュメンタリー映画の命である真実性を損なうことなく実施されているのは言うまでも無い。

ほとんど休みの無いハードな日程で撮影し、180時間程度のフッテージを撮影してきた。それを1%以下に編集し、テンポある充実した内容になっていると確信している。

(ちなみに対談などは2カメで撮影しており、実質的撮影したフッテージは100時間程)

主に撮影をした場所は、全米でも最も安全度が高いと言われるアーバイン市であり、昔ながらの良きアメリカ中産階級の家庭の様子が、実際に幾つも描写されており、それを見て頂くことで、現在の1%の富裕層と99%の貧困層に分かれてしまったと言う悲しい現実から、理想的なある種の家庭の様子を感じてもらえると思う。

「アラフォー」と言う言葉自体が、一時日本では流行りの様に言われたが、アメリカでは、そう言う言葉自体、ある種の「エイジハラスメント」であり、年齢で人物を分類したり差別したりしない米国の発想とかけ離れているのが映画で語られる。

それは多くの日本のアラフォー女性の励みになると確信している。

年齢で全てを分け、ある種差別してしまう日本の現状へのアンチテーゼとして、敢えてこう言うタイトルにしており、それが映画を見てもらえれば実感してもらえると思う。

それは、老齢化社会に向かっている日本への活力になると思うし、年齢に関係なく充実して生きたい様に生きると言う人間の本来あるべき姿を、日本の観客にも感じて頂けると考える。

これは「アラフォーの人生の選択と決断、そして再生」を描いた映画であり、アラフォーに限らず全女性観客にとっても、多くのメリットとなる映画となるだろう。

アメリカに12年間住んだ監督すずきは、松下恵の義父でもある。(実母は、榊原るみ)身内だからこそ、撮れる映像も少なく無い。

主人公の松下恵を通じ、自分の国、日本の事をどの様に思うかを留学したアメリカという国を通じて観客の方たちにも考えて頂けるだろう。

それが、一つの裏の映画のテーマでもある。

時は正に2018年。日本の移民がハワイに渡って150年という記念的な年でもあり、この時期に製作するにふさわしい映画である。「元年もの」という言葉がある様に、明治元年にハワイに渡った移民たちの、正に移民元年から150年が今年なのだ。

海外に住むという事は、客観的に自分自身や、自分の国を見詰め直すチャンス。そうした中で、新たな人生がひらけていく人は決して少なく無い。

この映画の目的の一つが、昔は数多くいた海外に雄飛するこうした若者を、現代にも甦らせたいと言う事であり、その実現の為にも一人でも多くの方に、この映画を見て頂きたいと願っている。